手を置いた人物はもちろん、奏斗くん。


あたしは反射的に立ち止まった。


「どうしてここに奏斗くんがいるの?」


奏斗くんは実家暮らしのはず。


奏斗くんの通っている大学からあたしの家へ向かう道は、通ることなんて絶対にない。