しばらくして、携帯に着信が入った。

「あ、もしもし」

軽く会話して切ると、凜は不思議そうな顔をして誰?と聞いた。

「あ、兄貴。腕こんなだから送り迎えしてもらってるんですよ」
「そっか、あ、颯太。来週も来れる?」
「はい、しばらくは。毎週通院ですよ」
「じゃあまた話そう、音楽とか色々」
「はい」

相変わらずにこにこと緩く微笑むその顔を見ながら病院を後にした。