「私もね、キミの髪かっこいいって思って。綺麗に立つねぇ」

立てた俺の髪を見ながら、自分の髪をひっぱって羨ましそうに言う。

「私、ちょっと前までバンド組んでライブよくやってて、その時髪上げてたの。難しいよね自分でやるの」
「え、ライブ?俺もやりますよ、ギターなんですけど。あ、えーと…名前は…」
「凜って呼んで」
「凜…は何の楽器?」

同じく音楽をやる人、と嬉しくなってつい早口で話す。
彼女、凜は微笑んだまましっかり目を見ながら聞いてから、ゆっくりと話す。