買ったコーヒーを飲みながら待合席に着くと、上からあ、という声。
見上げるとさっきの金髪の女性が立っていた。
年は俺より少し上だろうか、さっき見た仕草だ、髪を耳に掛け直しながら覗き込むように。

「キミ、さっき売店で会ったよね?分かるかな」

気の強そうな口調と、意外に高い声。

「あ、はい。金髪かっこいいなぁって思って」

途端、溢れんばかりの笑顔。
つられて笑うと彼女はありがとう、と言って隣に座った。