それから一週間、次に俺が会いに行く前に、凜は死んだ。
バンドの練習を終えて家に帰る途中、知らない番号からの着信。
出ると、凜の母親からだった。
以前番号を凜に教えたことを思い出す。
一度も電話で話すことはなかったけど。

あなたのことは、凜からよく聞いていました。
あの子と仲良くしてくださってありがとうございました。

告げる母親の辛そうな声を、俺は冷静に聞いた。
やつれていく凜を見ながらいつかは、と覚悟していたことだった。
でもどこか現実味が無くて、俺は涙も出なかった。