病気の女とそれを支える男?
俺たちみたい?
支える男?
俺が?

「…恋人だったの、その二人は」
「ううん、友達だった、最後まで。でもかけがえない存在だった」

壁から視線を移して、凜が俺を捉える。
会った時より多少弱くなった眼は、それでもしっかり俺を見て。

「私も颯太がかけがえない存在」

聞こえるか聞こえないかのその声に、俺は涙が出そうになった。