それからは、あっという間だった。
凜の体調は見るからに悪くなっていった。
明るくしようとした。
そうしないと、目を背けてしまいそうだから。

「…こんにちはっ」
「颯太、いらっしゃい」

痩せた左手をふらふら振って、右手に添える。
見慣れたポーズになっていた。

「本当毎週来てくれるのね」
「凜と話すの楽しいから」

言うと凜は驚いたようにゆっくり、一回瞬きしてから深く笑った。

「私も」