キーボードを打つ手を止めて小さく溜め息をつく。
保健室の白い壁にかけてある時計に目をやる。
9時かぁ……。
もう美雨は起きてるだろうか……。
飯をちゃんと食っただろうか……。
娘を心配する親のように美雨のことが気になって仕方がない。
あぁ、そうだ……。
今日の晩飯は何にしようか。
俺は1人暮らしのくせに料理をしない。
いつもカップ麺や弁当や外食で済ませている。
彼女がいた時には彼女に作ってもらっていたけど、彼女がいない今の食生活は杜撰なものだ。
俺1人ならそれでもいい。
でも服の上から明らかに細すぎる体の美雨。
美雨にそんな食生活をさせるのは可哀相だ。
栄養のあるものを美雨に食べさせてやりたい。