「名前を聞いたからって、警察には電話しないよ?だって嫌なんでしょ?だから安心して?」
そう言っても首を横に振り続ける彼女。
どうすりゃいいんだ?
どうしたら彼女は納得するんだ……。
うーん…………。
頭の中でいろいろ考えていく……。
…………そうだ!
「わかった。名前は聞かない」
俺がそう言うと彼女は首を横に振っていたのを止めて俺を見た。
「でも、やっぱり名前がないと困るんだ。このまま“キミ”って呼ぶわけにはいかないだろ?だから俺がキミの名前を考えていい?」
彼女が首を傾げる。
「ニックネーム、みたいなものかな?どうかな?」
首を傾げたままの彼女はコクンと頷いた。