これで何度目だろう……

この男が夢に出てくるのは……


でも……安心するんだ。

この男の声を聞くと、包まれたような気分になる。



一体……何者?



あたしはベッドから体を起こし、電源の切れたケータイを手に取った。

だが、なんとなく、ケータイを見ることができなかった。


今のあたしはあたしじゃない。

龍神にいるあたしでも、黒アゲハであるあたしでもない。


もう一人のアタシ

加減もできず、死んだように行動するアタシが今、あたしの中に潜んでいる。

そして……弱ったあたしを支配しているのだ……



こんなあたしじゃ龍神にいられない。