それから彼は、たまに授業をさぼって保健室にくる事が増えた。
かと言って懐いてくるわけでもなく、意地悪なことを言って帰って行く。
猫みたいな子だと思った。

室井君がどんな子なのかと怜に聞いてみると、一言。

陰湿、と言い放った。

その意味を知るのは数日後だった。



保健の栄養管理や病気の予防の説明を2クラスずつでやる事になった。
その中には室井と本田がいた。
少しドキドキしながら授業を始め、数分後…

「先生〜後ろまで紙来てないんすけど〜」

その声に慌てて紙を配りに行こうと後ろの席まで歩いていると、何かに足が引っかかり思い切り転んだ。