長い足を組み直した部長は、ほんの微かに表情を緩ませて言った。
「……どうやら笹本には、お仕置きが必要みたいだな」
「………っ」
その言葉と、普段は絶対聞けない甘い声に、身体がびくりと反応した。
お、お仕置きって、なに!?
そんな言葉を聞いてしまったからには、想像することはただひとつ。
顔は湯気が出そうなくらい、熱い。
イスの背もたれからあたしの方にずいっと近づく部長。
「笹本、お仕置きだ……」
ふいに捕まれる手。
思い出すのは、金曜日のキス。
どんどんその距離を縮める部長。
逃げなきゃいけないのに、逃げたくないと思っている自分がいる。
さっきと同じ、矛盾。
その漆黒の瞳に捕まったら最後、逃れられない。
部長がゆっくり口を開いた。