普通、コンパで息抜きをする人なんていないでしょう!?
そう思う間にも、フロアを颯爽と歩いて前を行く梨華。
「絶対参加だからね、雨衣。
棄権はなしよ」
断固たる口調で言った彼女に、あたしは首を降る。
「無理だからっ。コンパとか……それどころじゃないしっ」
「なにがそれどころじゃないのよ?」
「そ、れは……」
振り向いた梨華に、言葉を詰まらせる。
部長とのことは、黙っておきたい。
一瞬のすきをついて、梨華は勝ち誇った笑顔を浮かべた。
「はい、決定!なにもないんだったら、問題ないでしょう」
「だから……っ」
必死になって言い訳をしようとしたけど、時既に遅し。
自分のデスクについた梨華は、あたしの話を無視してさっさと仕事を初めてしまった。
「梨華ー……」
それでも諦めきれずに彼女の横に立っていると、後ろに人の立つ気配を感じた。
そして振り向こうとした瞬間、あたしの動きを止まらせる声がすぐ後ろから響いた。