エレベーターの中で、あたしと梨華しかいないのをいいことに、思いっ切り大声を出した。



「え、コンパって……」



「雨衣の他にも2人誘うから!

あっちは若手の銀行員なのよ!

もしかしたら、大物がつれるかもね」



高々と宣言する梨華に、あたしは驚く心を鎮めつつ、彼女に問う。



「コンパっていったって………ていうか、梨華彼氏いるでしょ!」



幼なじみのイケメン彼氏君がいる彼女に、あたしは慌てて言った。



はっきり言って、コンパなんて参加したくない。



梨華はあたしの傷を塞ぐ思いでセッティングしてくれたのだろうけど、とてもじゃないけどそんな気分にはなれない。



それに、よくわからない部長のこともあるし。



目的のフロアに着いてエレベーターを降りながら彼女を説得する。



「彼氏君裏切っちゃだめだよ。あたしのことは大丈夫だから」



「別にコンパに出たからって、あいつを裏切ってるわけじゃないし。

それに、誰にだって息抜きは必要よ」



けろりとして言う彼女に、ア然とする。



「息抜きって………」