「あなたっ・・!!目を覚ましてちょうだい!あなた・・っ」


目の前で横たわる父。

その上で泣きじゃくる母。

周りでスーツを着込んで涙をこらえて
うつむくお兄さんやおじさんたち。


私はなにもかもの意味が分からず
ただきょろきょろしていた。

医者のような人が父の顔の上に白い布を
かぶせる。


「なんでそれかけるの?パパ苦しくて
寝れないよ。」

私は医者に尋ねた。


「あのね、芽衣。もうパパは苦しい想いも
悲しい想いもすることはないのよ・・」