少しの沈黙があって、ひろちゃんが口を開いた

「アメ食べる?」

うわっ!男のくせにアメとか常備してんの
超かわいいっ!!

「食べる!!ありがとね♪え、これ期間限定じゃんっ!!」
「そーなの?・・ひんやりバニラアイスだって・・うまいのかな」
「ひろちゃんまだ食べてないの?!」
「あぁ・・・昨日買ったから」

男の子と二人なんて・・・久しぶりだなぁ


元彼以来だよ

それからひろちゃんといろんな話をした

担任は絶対ヅラだ、とか
かっぱ寿司より幸楽苑だ、とか
今年のプロ野球はどうだ、とか


「ひろちゃんて野球上手だよね」
「・・・そうなの?」
「この前の試合さ-ちゃんと見に行ったんだけど、ひろちゃんヒットいっぱい打ったじゃん!尊敬するっ」

そう、それまでさ-ちゃんは野球部の人が好きで
あたしはよく野球の試合を見に行っていたのだ

ひろちゃん野球部なんだ

「西中戦・・・?いっぱい打ったっていうか、ピッチャー弱かったし他のみんなも打ってたからそんな凄くないよ」
「そうなの?ていうかあのちっちゃいボールにバットが当たることにあたしは凄いと思うんだけど」
「何年もやってて一本も当たらなかったらそれはそれですげぇけど」

それは嫌みでしょうか?



「じゃ、俺ここだから」
「そっか。じゃね、ばいばい!」
「うん」

バイバイって返してよ・・・
「うん」って・・・

永遠の別れみたいじゃん


何あたし別れを惜しんでるのよ

    ・・・バカ