―美月side―

二人が喧嘩してる。

止める事も、何か言ったりも出来ない。

こんな空気、嫌だな・・・。

二人の間にしばらく、沈黙が続いた。

美月「・・・耀平。帰ろう。」

そう言って、耀平の手を引いたのは、私だった。

逃げる様に、渡辺くんの前から、姿を消した。

ねぇ。

耀平・・・。

私の事、どう思ってる??

今すぐ、耀平の気持ち、聞きたいよ。

美月「・・・耀平??」

耀平「ん??」

美月「耀平は、私の事、どう思ってる??」

耀平「どう思ってるって、何が??」

美月「私の事。・・・好き??」

耀平「・・・。」

急に黙り込んでしまった、耀平。

ねぇ??

何で??

私は、こんなに耀平の事、思ってるのに。

耀平「・・・それってさ。」

美月「・・・??」

耀平「渡辺に、嫉妬して、俺にそんなこと、言ってる??」

美月「・・・。」

耀平「はぁ。・・・そんなんに俺、利用されたくない。」

美月「嫉妬、なんかぢゃないよ・・・。」

段々小さくなっていく声。

耀平「もぉ、いいよ。」

そう言って、私から、離れてしまった。

ねぇ。

耀平??

多分。

私は、渡辺くんと夢に『嫉妬』してた。

イヤ。

確実にしてた。

別れちゃえば、いいのにって・・・。

・・・思っちゃった。