「いや、俺こそごめん…。お詫びに、ジュースおごってあげる」

彼が、私の手をひいて歩き出す。

「……えっ」


私は、どこに連れてかれるかわからないまま、彼にひかれた手を追って歩く。



会った、ばっかりの人を連れ去るなんて…。

変な人。

まあそれに、ついていく私もどうかと思うけど…。

手、振りほどいて逃げちゃえばいいのに。

でもなぜかこの手が、振りほどけない…。