「えっと…」

暖かい風が私たちを包む。


「あの…あなた私に会ったことありますか…?」

「あるよ。なんで?」

あたりまえかのように、答える彼に戸惑う。


いつ、会ったんだっけ?
覚えてないけど、見たことある顔。


「えっと、じゃあお名前は…?」


彼を見上げながら言う私に、ナイショと人差し指を唇に当てる彼。

色っぽい仕草に、照れる私は俯いた。