…とうとう東宮真尋が
いる廊下に来て、
あたしはドアの近くで
立ち止まる。
 
目の前には…まさしく
東宮真尋の姿。
 
あたしはその場で
俯いてしまった。
 
 
すると、優しい声が
耳に届いた。
 
 
「・・・君が藤緒さん?」
 
「・・・・・・はい」
 
 
少しの間をおいて
静かに応えた。
 
まだ俯いたままで、
床を睨むあたし。
 
顔が上げられない…。