「10分ぐらいで着くって」


「あいよ。んじゃ、行って来ようかな‥」



行きたくないな‥


けど、妊娠の話はちゃんとしないといけない。


果たしてちゃんと話になるのだろうか?



そんな私の心情を読み取ったかのようにかなたんは、


「送るよ?」



なんて声掛けてくれて。


やっぱり優しいんだ。



「お、やっぱりぃが心配?」



そこで蓮の茶化しが入る。



「まぁね。んじゃ、行ってくる。りぃ、行こっか?」


「うん。ありがと」


「気を付けてね」


「はいはーい。明日には帰ってくる」



 ─ バタン



8月の終わりとはいえ、まだまだ蒸し暑さの残る夜だった。