「うーん、そうか……晴菜に子どもねぇ……」


 手紙をテーブルの上に置いてテレビを眺めた。四角い箱の中では、さっきとは違う芸人がネタを披露している。


 相変わらずの笑い声がスピーカーを通して耳に届く。


 やかましい音だ。


 画面には兵隊の格好をしてウクレレを弾いている芸人がいた。様々なギャグを言っていたが、どんなにおもしろくても、とてもじゃないが笑う気にはなれなかった。




 少し時間が経って落ち着いてから、カバンの中を整理しようと思い、書類や冊子を取り出した。


 必要なものと必要で無いものを分ける。一通り整頓してから、カバンの奥に押し込んだ指輪の入っている箱を取り出す。


 それをテーブルの上に置いた。