「ねえ和人くん。クリスマスって、なんのためにあるの?」

「え? クリスマス?」俺は腕を組んで考えた。

「クリスマスっていうのは……キリストの降誕を祝うためにあるんじゃないのかな」


「そうかな? だって、今の時代、誰もキリストの降誕なんて祝わないじゃない。みんなプレゼント貰ったり、外食したり、自分たちの好きなように時間を過ごしていると思う。クリスマスがクリスマスである意味は本当にあるの?」


 そう言われると、よく分からなくなってきた。


 確かに俺も、毎年キリストの降誕を祝っているわけではない。


 それどころか、キリストの降誕した日であることを忘れている事もある。