さっきの青年が入り口に立っていた。
すばるはトコトコと青年の脇に歩いていくと、彼の手を取ってにっこりと笑った。
「おや、すばるちゃんのお友達だったのか」
おじさんがカウンター越しに言うと、青年は、
「さっきお友達になったの。僕まだすばるくんのおとし聞いてなかった。いくつ?」
とすばるを見下ろした。
すばるはニコニコしたまま右手の指を四本立ててみせた。
「僕のほうがひとつ年上だ。じゃあ今度からは僕の言うことをよく聞くんだよ」
青年は胸を張ってそう言い、すばるはこっくりと頷いた。
「随分とでっかい五歳児だなぁ、幼稚園は行っているのかい?」
おじさんがそう言って、笑い、おばちゃんに怒られた。