「おや、すばるちゃん。来てくれたのかい?嬉しいね、おばちゃんタコふたつおまけしちゃうよ」 ニコニコ微笑む初老の婦人が、小窓から手を振った。 そこはアパートの近くでタコ焼きや焼きそば等を老夫婦で売っている〔てがる〕という店だ。 客の殆どはテイクアウトしていくが、狭いながらも店内には二つのテーブルが設置されている。 たまに学生などが学校の帰りに、そこで食べているのを見かける。