すばるが小さいので、ベティママはファミリーレストランを予約しておいてくれた。







「わあーっ、てんちゃんたらダンディー。よく似合ってるわ。高かったでしょそれ」




タカシの装いを見て、ベティママが感嘆の悲鳴を上げた。




「ううん、全部デパートの吊り下げよ。それもバーゲン価格なんです」




奈央は少し誇らしげにそう言った。




「へーっ、いい男はティーシャツとジーンズでオーケィと言うけど、ホントね。ほらウチに来るスーさん、ずんぐりむっくりでやたら身につけたブランド品を自慢する・・・」




「知ってます。いちいちこれはいくらだった、これはどこぞのクラブのママが中元でくれたが調べたら何々製で値段は・・・、って吹聴する方でしょう」




「そうそう、ああいう人に限って、似合いもしない洋服にお金注ぎ込むのよねぇ。ま、本人が満足してるならいいか」




「そうそう、いいんです。てんちゃんなんてわたしの選んだ洋服が不満らしいんです。マンガがついてないからって」




奈央の言葉に瞬時に納得して、ベティママは大笑いをした。