6時間目も何事もなく、日本史の授業を聞き流し、ホームルームが始まる。


「特に連絡はねぇな、じゃ、解散。」


本当にやる気の無い、担任。


熱血漢溢れる汗臭いオッサンよりかはいくらかマシだけどね。



「さぁー、帰ろっか、ひー。」


「ん。」


席から立ち上がろうとしたら目の前に男子生徒の制服が目に入った。


「ははは、は葉山さん!今暇ですかっ!?」


うざい、誰、こいつ。


「暇じゃない、帰る。」


彼に背を向けドアの方へむかう。



「あの!ちょっとだけ!ちょっとでいいんで、お話しませんか?」



「何?ここで言えないこと?友達待たせてんだけど。早くして。」



「あ、友達って、桜木さん?さっき帰っていったよ?ね、ちょっとでいいから!!」