振り返ってみると、
そこには……



あの翔くんがいた。


練習をほったらかして、
こちらに走って来たのである。



フェンス越しであるけれど、
その距離はとても近い。
彼はじっと私のことを見てる。


顔が熱くなるのが分かった。
見つめ合っているのが恥ずかしくなって
目をそらした。




それでも彼は私を見てる。


やばいよ
心臓もたない。






そんな私に翔くんは一言。




「名前、、教えて」



少し照れくさそうに言う彼に
私は頬を染めた。




「2年4組 大沼千春ですっ」





今日は金曜日。
忘れられない、私たちの最初の
金曜日。






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