透けるような淡い色のイソギンチャク達は、可愛らしいクマノミや、
仲間のイソギンチャク達とのおしゃべりに余念がありません。

そこに、ひゅうっとあのイルカの男の子がやってきて、
イソギンチャク達を端から順に口でつついていきました。
イソギンチャクが慌ててピュッと体を引っ込めるのもおもしろかったし、
そのヒダに挟まって更に慌てるクマノミ達もおもしろくて、
イルカの男の子はまたケラケラと笑いました。
ひとしきりそんなことを繰り返した後、
イルカの男の子がその場を去ってしまってから、
イソギンチャク達は、本当にもう…と言わんばかりに、
しぼめた体をゆっくりと伸ばしていきました。