海面に出していた小さな頭をチャプンと海に潜らせて、
あたりをキョロキョロ見回してみました。
海の中は真っ暗で、お星様の光らしきものはどこにも見当たりません。

――――探しに行こうかな。

ふとそう思ってしまったら、次の瞬間には男の子の胸はとてもドキドキしてきました。

もし見つけたら、まず真っ先にお母さんに見せよう。
仲間や、他のイルカの子達にも見せて、僕がもう立派で勇敢なイルカだっていう証にするんだ。
ピカピカ光るお星様を見せた時の、お母さんやみんなの顔を思い浮かべると、
男の子の胸はますますドキドキしてきました。

よし、絶対に見つけて、みんなに見せよう。
そして、そのお星様は僕の宝物にするんだ。

そう思った頃には、イルカの男の子の体はもう、
お星様の落ちた方角に向かって泳ぎ出していました。