そう思って手を伸ばした時、ちょうど音楽が止まった。

「え…」

先輩も少し信じられないような顔をしている。

一緒に踊りたかったのにぃ。

「ゆーりーちゃん」

先輩が私の頭をくしゃくしゃと撫でる。

「わっ…」

「一緒にキャンプファイヤー見よ?」

気付くと、日はすっかり落ちていて暗いグランドの中心でキャンプファイヤーが煌々としている。

周りもそれぞれが座ったり、写真を撮ったりしていた。

私達はグランドの隅の木の下に座って、遠くから炎を見つめた。

「綺麗…」

「だな…」

そのあと、少しの沈黙。

「………由莉」

「…はい?」