5走目は真奈ちゃん。

第4走者は2位で走ってきた。

「真奈ちゃーん!!抜かせ〜!!!」

相変わらず足が速い真奈ちゃんはあっという間に1位になった。

しかし……。

「あっ!!!」

バトンのパスミスでバトンが地面に転がる。

拾ってパスをしているうちに、2人の走者に抜かれていった。

6走目の3年生が何とか1人を抜かし、アンカーの先輩にバトンが渡る。

先輩…、お願い抜かして……!!

1位のチームとはわずか3メートルの距離。

私は目をつぶって祈った。

『バアァァンッッ』

1位ゴールのピストルが鳴る。

顔を上げると、先輩が同じチームの人達とハイタッチをしていた。