「はい、がんばります!絶対に県大会に行きます!じゃあ、さようなら」


私はお辞儀をして、マンションのエントランスに走った。


ダメ・・・そんな圭吾さんの顔を見たら、もっと好きになってしまう。



「好き」って言ってしまいそうになってしまう。


振り返っちゃいけない――

私はそう思ったのに、エントランスに入る直前、我慢できなくなって振り返った。



圭吾さんはまだ私の方を見ていた。


遠くて表情まではわからないけど、私を見守ってくれているようだった。