私はまたつつじ公園の、前まで送ってもらった。



「ありがとうございました」

私はヘルメットを返しながら言った。



「いつだ?」 圭吾さんの短すぎる言葉。


「は?」 何がだろう?


「走んのいつだ?」・・・大会のことかな?


「明後日。暇だったら観に来てください。絶対に決勝に残るから3時でいいです。場所は総合競技場です」


来てくれるはずはないと知ってはいながら、淡い期待を持って言った。



「がんばれよ」

圭吾さんは私の頭をなででくれた。


今まで見た圭吾さんの中で一番優しくて素敵な顔で微笑んでいた。