「私…全然すごくないよ…昨年ね、0・03秒の差で県大会にいけなかったの。私、すごく悔しかったの。 0.03秒、私の努力が足りなかったんだって思った。だから今度の大会では絶対に県大会に行きたいの。0.03秒、自分に勝ちたいの」


圭吾さんは、私の言葉を顔だけ私の方に向けて黙って聞いてくれた。



「やっぱすっげよ。お前は怖がりで泣き虫だけど、強えんだな」


そんなこと言われたら『あなたを忘れるためでもありました』とは言えない・・・