「竹刀と防具出して」


「あぁ、ごめん。僕、防具いらない。竹刀だけで」


「だそうです」


近くにいた一年の子に頼んだ。


「どうぞ」


竹刀を受け取り、定位置についた。


いつの間にか、辺りはシーンと静まりかえっている。


「訳も分からない貴方に、朝練を妨害されたんです。責任取ってくださいね」


「僕が負けたらね。まぁ負けないけど」


……。




「始め!!!」