俺は、空き缶を受け取って、自販機の横のゴミ箱まで捨てに行こうとした
その時、俺の指が澪の手の甲に触れた
「あ、ごめ…」
顔を上げると、
すぐ澪の顔
しばらく、目が合う
「「…」」
自然に、目をつぶっていた
澪も、俺と同じ動作をしていた
澪は、荷台に乗ったまま、
上半身を折り曲げて俺に顔を近づけていく
唇が、自然と近づく
澪の髪が顔に当たって、こしょばい
唇が重なった時
一瞬だったのか、もっと長かったのか覚えてないんだけど
世界が止まった
自分と澪しか存在しない世界
ゆっくりと、唇を離す
澪の顔は、ほんのり桜色で
多分俺も、そうだったと思う
ファーストキスは、緑茶の味