そして、転入してきた日から女の子。

杉並美佳(すぎなみみか)は、聖也を好きになった。

あたしの予想通り、美佳ちゃんはあたしの敵になった。

休み時間はもちろんの事、お昼休みまでついて来る。

聖也のことを、好きでもここまでついて来る子は、居なかった。

皆、聖也に嫌われると思って・・・

なのに、美佳ちゃんはそんなのお構いなし。

聖也が、いくら言っても離れない。

正直言って、こんなの堂々としたストーカーとしか、あたしは思えない。

三人で食べる筈だった、お昼ご飯もどれだけ言っても美佳ちゃんが居る。

「なに膨れてんの?」

聖也は、諦めたのか美佳ちゃんがまるでそこに居ないかのようにする。

「別に・・・」

あたしは、美佳ちゃんの視線が気になって本当の事を言えない。

すると詩織は、

「言ったほうがいいよ!」

「でも、・・・」

「わかった ちょっと、詩織後ろ向いてて」

「はいはい」

詩織は、呆れたように言う。

あたしは、意味が分からず聖也を見る。

ちゅっと、聖也の唇があたしのそれに重なる。