【じゃあさ、拓哉さんの店の近くなんだけど来て?】

【何で!?】

【いいから!! あんた、今詩織が泣いてるのよ!!】

泣いてるは、言いすぎかなぁ・・・

まぁ、いっか。

叶斗だし。

タッタッタッタッ

走ってくる、叶斗の姿が見えた。

「大丈夫か!?詩織!!」

「えっ・・・叶斗・・・?」

「おい羽衣、泣いてねぇじゃねぇかよ!!」

「羽衣、何か言ったの?」

「ちょっと、口からでまかせを・・・」

「じゃあ、あたし達は行くよ!?」

驚いている聖也の腕を引っ張って、先に帰った。

後のことは、知らない。

ただ、詩織から【付き合えたよ~】っと、メールは来た。

それから、すぐにあたしから詩織に電話をかけた。

電話で話す詩織の声は、さっきよりもずっと嬉しそうだった。

詩織から聞いた所、あの綺麗なお姉さんは叶斗の友達の彼女らしい。

喧嘩をしたらしく、これでも頼れる叶斗は相談に乗ってたらしい。

無事、詩織と叶斗が付き合いだして遊ぶ時も二人で遊ぶようになって、あたし達はまた二人で遊ぶようになった。

「羽衣さぁ、叶斗にあの時なんて言ったの?」

「詩織が泣いてるって言ったの」

「だからあんなに速かったのか」

「うん!! 聖也も、「あたしが泣いてる」って聞いたらすぐに来てくれる?」

「当たり前」

「ありがとう」

「こちらこそ、ありがとう いつも隣に居てくれて」

「あたしだって、隣に居たいもん☆」

「可愛すぎ」

聖也は、甘い甘いキスをした。