その光景をこれ以上見たくなくて、屋上に来た。

一人、空を見上げる。

風が、とても気持ちいい

しばらくして、聖也と詩織が来た。

「羽衣、何で言わなかった?」

「・・・・・・」

「聖也、羽衣を責めないで 羽衣に黙ってって、言ったのはあたしだし」

「何で言わなかった?」

「迷惑が、かかると思って」

「俺は、お前が大事なの」

言われた途端に、詩織の顔が緩む。

「ありがとう これからは言うから」

詩織の一言で、聖也の機嫌は直り二人で屋上を出て行った。

二人がくっつくのも、時間の問題かぁ。

心の中でつぶやいて、悲しくなる。

ずっと、二人と思ってたのになぁ・・・

それから、二人の距離は縮まった。

聖也の笑顔は、詩織に向けられるようになった。

「今日は拓哉さんの店行こう」

「ごめん 今日用事あるから」

あたしは、詩織と聖也のツーショットを避けるようになった。