いよいよ、やって来た卒業式。

あたしはもちろん泣くのが分かっているから、ハンカチはポケットの中。

正直校長の長々とした挨拶なんていらない。

卒業証書を渡されて、思わず卒業を、この3年間通ったこの高校を離れると思うと涙が目にたまる。

「ありがとうございます」

頭を下げて、壇上から降りる。

長い式も終わり、担任との最後のさようなら。

「やっぱり、泣いてるな」

「だって~~~」

「まぁなぁ、気持ちも分からない事もないけどさ・・・」

「詩織も泣いてるし・・・」

「確かに」

「あんまり、会えなくなるんだもん」

「でも、俺と羽衣はめっさ家が近いから」

「いいなぁ・・・」

「昔は、嫌だったけど今は超嬉しい」

あたしは保育学校に行って、詩織はデザイナー専門の学校。

聖也は、小学校の先生目指して専門学校。

3人共、夢を目指して勉強三昧。


大学は、結構面白いところで先輩は優しくて、やりやすい。

ある日。

「今日、夜会えない?」

突然の聖也からの電話。

もちろんあたしは、OK。

慌てて、用意して向かった先は懐かしい公園。

「お待たせ」

「いや」

「急に、どうしたの?」

「会いたくなったの」