「それに、弱みならもう握ってんだろ」

「え、あたしが?」

「多分、明日香が俺の前からいなくなったら、俺の全部が停止するように仕組まれてるから」

「……」

「どっかの誰かさんのせいで」



ミツが空を見上げながら言うから、あたしも空を見る。

落ちてくるような光が、キラキラして見えた。


「神様のせいって事?」



空を見上げたまま、ミツが笑った。






“運命”なんて言葉は恥ずかしすぎるから。

“神様のせいで”って事でひとつ。





繋いだ手が、初めからペアで作られたみたいに心地よかった。






FIN...