神様が仕組んだらしい恋路は、

多分神様が思い描いていた通りじゃなかったと思うけど。


かなり脱線した気がするし、遠回りだってした。

線路を壊しそうになったりもした。


でも。


「あ! そういえば、田口、妹いないって言ってたよ!」

「は? ……あ、おまえ、もしかして盗み聞、」

「あ! ううん! 違う! してないしてない!

ミツの“王子様”称号剥奪計画とか立ててないっ!」

「……」

「ホモだとかロリだとか、疑ってないし、弱み握ってやろうとかも全然……ごめんなさい」


ミツが怒りのオーラを出すから。

しゅんとして謝る。

普段なら謝らないけど、盗み聞きしてたのはあたしが悪いから。


ミツは軽いため息をついた後、頭をガシガシかいた。


「矢野センが、俺が明日香の事好きだって気付いてるっぽいから、適当に誤魔化したんだよ」

「あ、そうだったんだ……」


納得して呟くと、ミツが微笑む。

ちょっと不覚にもドキっとしちゃうような王子様スマイルで。