ミツの王子様らしからぬ行動を押さえるためには、まずは尾行から。


そう思って、翌日の昼休みから行動に出た。

学食でカレーを食べたミツは、友達と別れた後、ひとりで北校舎に向かう。


北校舎にあるのは移動教室ばっかりで、授業以外で用があるなんて事ほとんどないのに。

ミツは日直でもないし。


……おかしい。

もしかしたら初日から何か掴めるかも!


ちょっとウキウキしながら、行動まで浮つかないように気をつけて、こっそり後をつける。


「……」


考えてみると、こんな風にミツの後をつけるとかって初めてだ。

いっつも並んで歩いてたから。


こうやって、ミツの後ろ姿をじっと見つめるとか……、なんか不思議な気分。