「んっ…」

あたしはそっと目をあける。

ベッドの横に人影があった。

…茜くん??

椅子に座って眠りながらあたしの手を握っている。


「心…、起きたのか??」

茜くんが目を覚ます。

名前…


「…佐藤くん」

あたしは茜くんの苗字を呼んだ。

茜くんは手をすぐに離してあたしに謝る。


「わ、わりぃ福島」

「いぇ…、あれ直人は??」

あたしは辺りを見回す。

「東の事は名前なんだな…
昔は俺の事、」

「…??佐藤く、ん」

あたしは茜くんを見る。


「…別に、なんでもない」

あたしに悲しい表情を見せる。

どうして、そんな顔するの…??