「茜くんとさ、ちゃんと話してきなよ…」


「唯…」


唯はあたしに
笑顔を向ける。


「うん…ありがとう…
行ってくるね」


あたしは廊下を走る。

階段のところに茜くんの後ろ姿があった。

「茜くんっ!!」

あたしは茜くんを呼び止めた。


「心…」

茜くんが振り向く。

なんでだろう…
よくわかんない…


でもちゃんと言いたいこと伝えなきゃ…


「あたし、ばかだからさ…
ごめんって謝られる理由がよく分かんないんだよね…」


あたしがそう言うと茜くんはまた背中を向ける。


「待って!!」


理由が聞きたい…


階段を降りようとすると躓いた。

体が宙を舞う。


「あっ!?」

やばっ…落ちるっ

「心っ!?」