「さっきの凄かったね」
唯は関心したように笑った
「うん…」
あたしは小さく頷いた。
「茜くん、かっこいいよね~」
「ルックスは最高だし中身もわりといい人だよね~」
周りの女子達は大騒ぎしている。
「そ、そういえば数学の予習してきた??」
あたしは話題を変える。
「あ、忘れてた…
心、写させて♪」
唯は笑ってあたしにねだる。
「仕方ないなぁ~
今度なんか奢ってね」
唯はあたしのノートを必死に写す。
するとそこに
直人が笑いながらやって来た。
「唯…悪いんだけど、そこ俺の席☆
座らせてくれねぇかな~」
「分かったよ、自分の席でしますよ」
唯はあたしのノートを自分の席に持って行った。
あたしが笑ってると
直人は席に着いてあたしの頭を撫でた。
「な、何!?」
あたしは直人を見る。
「心、なんか元気ねぇーな」
「ははは
全然元気だよ」
笑ってみせる。
だって元気だもん…
直人は不満そうな顔をしてあたしの頬をつねった。
「無理すんなよ」
「大丈夫だよ」
あたしはそう言って授業の準備をする。
チャイムが鳴ったと同時に先生が入ってくる。
「お前ら席に着いとけよ~」
茜くんも教室に入ってきた。
あたしの隣は茜くんなんだよね…
「心、顔色わりぃぞ」
直人はあたしの額を触った。