「ろっ…心っ」


「ぅわっ」

あたしは勢いよく顔を上げる。

授業中に眠っちゃってたんだ…


あの夢は懐かしかった…


「な…おと??」


直人はあたしの顔をみて目を見開く。


「なんで…泣いて」


「泣いてなんかいないよ…」


泣いてるつもりはなかった。

なぜか涙があたしの頬を流れ落ちる。


あたし…
なんで泣いてんだろ…


「泣いてるし…
何か、あったのか??
もしかして」


直人は茜くんの方を見る。


「大丈夫、懐かしい夢を見ただけだから…」



あたしがそう口にすると茜くんは勢いよく立って机に蹴りを入れ
教室を出て行った。


えっ…??
あたし何かした…??



「なんだよ…今の…
おいっ」

直人も茜くんを追いかけて教室を出て行く。



「なおっ…と…」