「あたし、」

思い出そうとすると頭に激痛が走る。


「ぃったいい…」


痛みで涙が出る。




泣いているとドアが勢いよく開いた。


茶色が入り混じった黒髪で
可愛らしい男の子があたしの隣まで来た。


「心ちゃん、大丈夫だよ」

その子は微笑む。


「あたし、心っていうの??
あなたは何てお名前なの…??」


その子は目を見開いた。



何も言わずあたしに優しく教えてくれた。


「うん、心ちゃん!!
僕の名前は、茜っていうんだよ~」


茜くん…


「茜くんって可愛い名前だね~
これからよろしくね」


「う…ん、よろしくね」


茜くんは寂しそうな表情をする。


「ごめんね、思い出せないの…」



「謝らなくていい!!…これから僕と思い出を作ろう、ね??」

あたしは頷くと
茜くんは笑った。


嬉しいな…