真山さんに同情してる
場合じゃないでしょ!?






「――帰りたくないんだ、
西原。


今夜だけ、オレが上司
だってこと、忘れてくれ……」






切なげな声が耳元で
囁いて、鼓膜を痺れさせる。






ああ、ダメだ。





感覚的にそう思った。





_